謹賀新年。本年もよろしくお願い申し上げます。

新型コロナウイルスによる感染は世界規模で拡大しています。世界ではいくつかの製薬会社で新型コロナウイルスに関するワクチンが開発され、医療従事者をはじめとして接種が始まっています。これらのワクチンに期待するところは非常に大きなものがあります。

さて、今年の干支は丑(うし)になります。牛から得られる生薬として「牛黄(ごおう)」や「牛草結」があります。牛黄はウシ科(Bovidae)のウシBos taurus L. var, domesticus Gmelinの胆のう中に生じた結石を乾燥したもので、産出量が少ない高貴薬です。ウシを屠殺した場合に稀に採取されます。現在では狂牛病の発生地由来の牛黄は使用できないことになっているため、日本で流通する良品とされるものはオーストラリア産のものが多いです。牛黄の効能は、強心、解熱、解毒薬として、牛黄清心丸や六神丸、救命丸などの方剤に配合されています。牛黄は卵形、球形または整形して三角形や四角形を呈しています。

一方、反芻(はんすう)動物である牛は1個体で4つの胃を持っており、この胃の中にも稀に牛の毛からなる結石である「牛草結(ぎゅうそうけつ)」を作ります。牛草結は、牛の毛が丸く固まったもので、輪切りにすると、牛の毛に由来していることがわかります。牛草結は、人間の消化不良の治療に用いるとされます。胃の中で消化できずに停滞している繊維質であることから、この中に消化酵素を多く含んでいることが予想されます。